里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

「自分ができる時に参加し」「自分のできることをする」。これが日進里山リーダー会のモットーです

「 日進里山リーダー会」って、どんなグループ?

 「日進里山リーダー会という市民団体の名前を聞いたり、日進市の広報誌や新聞などで見たりします。どんなグループなんですか?」
 「里山林の保全・整備活動をされているそうですね。具体的にどんなことをしているのですか?」
 
 こうしたご質問を、よく受けます。そこで、会の活動をより多くの方に知っていただきたいという思いから、日進里山リーダー会は新しいリーフレットを2018(平成30)年7月に作りました。沿革や概要がコンパクトにまとめられています。f:id:miffy17s:20201108164556j:plainf:id:miffy17s:20201023152531p:plain
 字が小さくて読みにくいので、「沿革」の部分を拡大してみましょう。

日進里山リーダー会が結成されたのは、2003(平成15)年8月です

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 会の内容について、もう少し詳しく触れておきましょう。

 温暖化が進む現代社会において、里山で燃料や食料を得ていた時代が循環型社会のお手本として見直されており、雑木林に人の手を入れることによって、植物が更新されて二酸化炭素が減少し、また、生物多様性の復元にもつながると考えられています。
 日進市は、新しい時代に向けて里山を継承していくために、北高上緑地を代表的な舞台として、地域で里山を支える人づくりを進めてまいります。
  (日進市発行のリーフレット「にっしんの里山 北高上緑地」から)

 こうした基本的な考えから、日進市は2002(平成14)年度に市民講座「里山保全リーダー養成講座」(現在の「里山保全実践講座」)を開講。講座卒業生の有志によって2003(平成15)年8月3日に結成されたのが、市民団体「日進里山リーダー会」です。
 最初の講座受講者は31人、会発足時の会員は19人だったそうです。ちなみに、現在会員は41人(2020=令和2=年4月1日現在)です。

日進里山リーダー会の目的は里山の整備、保全を進めることです

 活動目的、活動内容を会則に沿って見てみましょう。
まずは「目的」です。

目的…会則第2条
 ①日進市、地域住民と連携して、市内の雑木林、竹林など里山の整備、保全を進める
 ②活動を通じて、里山の知識、技術の習得及び会員相互の親睦を図る

続いて「活動内容」です。

活動の内容…会則第3条
 ①除伐、間伐など里山の整備作業
 ②炭焼き(主に竹炭)
 ③里山に関する講座、行事の開催、協力
 ④里山保全、再生に係る諸団体との交流など

市主催里山行事の企画・運営・お手伝いもしています

 2020(令和2)年度を例に、具体的な活動内容を挙げてみましょう。
まず、上半期から。下の写真は、「Nissin 広報にっしん 2020年4月号」です。ここに掲載されているのは、北高上緑地での里山体験イベント案内です。f:id:miffy17s:20210111100203j:plain
 北高上緑地での里山体験イベントの主催は日進市ですが、企画・運営は日進里山リーダー会が担っています。
 本来ですと、4月1日から「コバノミツバツツジまつり」が予定されていたのですが、新型コロナウイルス禍の影響で中止になってしまいました。続いて、4月18日の「タケノコ掘り体験」、5月16日の「里山を歩こう(里山自然観察会)」も中止に。6月6日の「竹炭を家庭で使ってみよう(竹炭焼き体験)」は何とか開催することができました。
 北高上緑地での体験イベント以外では、8月23日に日進市総合運動公園で「親子里山体験(里山って何?)」が開かれましたが、恒例となっている自然の中での流しそうめん、野草の天ぷらなどを食すイベントは中止となりました。
 このほか、7月4日の「わいわいフェスティバル(環境編)」(市民会館)、8月15-23日の「北高上緑地写真展」(日進図書館)も中止になり、日進里山リーダー会の展示などはできませんでした。

 次は、2020(令和2)年度下半期に北高上緑地で行われる里山体験イベントです。市の広報誌9月号を見てみましょう。
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 「里山保全実践講座」は予定通り10月17日に開講(写真㊦㊧)、12月5日には第2回講座が開かれました(同㊨)。この講座で日進里山リーダー会は、樹木の伐採などの実習のお手伝いをしています。

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 11月21日の「秋の樹木観察ツアー」(写真㊦㊧)、12月19日の「正月飾りを作ろう」(同㊨)も予定通り開催されました。

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 このほか、総合運動公園でも「親子里山体験~『里山』ってなに? 体験してみよう!」(秋編)が開かれましたが、秋の恵みをその場で食すイベントは中止となり、日進里山リーダー会が作った焼き芋をお土産に持って帰っていただきました(写真㊦)。

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 11月15日に予定されていた「にぎわい交流館まつり(市民まつり)は残念ながら中止となり、日進里山リーダー会による展示・販売もできませんでした。
 本年度は、あと1月30日の「シイタケ栽培体験」、2月13日の「里山遊びを探そう」(いずれも北高上緑地で)を残すのみです。
 このほか、毎年開催されている「にこにこウォーク」のサポートとして、北高上緑地コース参加者の皆さん対象に緑地内の案内をしたり(写真㊦㊧、2019年3月)、地域連携として緑地を訪れる子ども会などの案内もしています(写真㊦㊨)。「にこにこウォーク」は今年から「ふるさとマラソン」に衣替えするそうです。

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 本年度は、新型コロナウイルス禍の影響で、イベントそのものが中止になったり規模縮小に追い込まれたりしましたが、日進里山リーダー会が企画・運営に携わっているイベントが毎年どのくらい計画されているかはお分かりになったと思います。来年度は「コバノミツバツツジまつり」など、恒例のイベントがすべて開催されることを願っています。
 

散策路を定期的に巡回し、安全確保に努めています

 こうした市主催里山体験イベントの企画・運営・お手伝いなどを通じて、里山の魅力を多くの市民の皆さんに知っていただくのとは別に取り組んでいる大切な活動があります。それは、市内の雑木林、竹林など里山の整備、保全活動です。
 f:id:miffy17s:20201030204619j:plain:right:w330まず、日進里山リーダー会のメーンフィールドになっている北高上緑地での具体的な取り組みから見てみましょう。
 毎週水曜日の午前中に行っているのが、散策路の見回りです(写真㊨)。緑地内を隈なく巡りながら▽転倒しそうな危険な個所はないか▽風雨で折れた樹木の枝が頭の上に落下してこないか▽周辺にスズメバチはいないかーなど、神経を集中させて点検しています。
 f:id:miffy17s:20210111142051j:plain:left:h340散策路の表土が流出し、木の根や切り株がむき出しになって足に引っかかりそうな危険個所があれば、すぐに根や切り株を処理します。散策路にはみ出していたり、垂れ下がっていて、顔などにけがをしそうな枝があれば、すぐに切ります。ハチトラップを設置するだけでなく、樹液を吸っているスズメバチを見つけたら、すぐに駆除します(写真㊧)。
 緑地内には、ドラム缶を加工した防火水槽が14基設置されています。ふたにたまった落ち葉などを取り除きながら▽雨水は十分たまっているか▽いざというとき、ふたはスムーズに開くかーといったチェックもしています(写真㊨)。
 f:id:miffy17s:20201030205136j:plain:right:w330ふたがなかなか開かないようなときは、問題を先送りせず、「どうしたらいいか」とその場ですぐにミーテイング。「ふたの裏側についているゴム製のパッキングを外してしまったらどうだろう」といったアイデアが飛び出せば、すぐに試してみます。解決策が出なければ、課題として持ち帰り、後日、みんなで議論します。
 見回りだからと言って、軽作業ばかりではありません。枯れた松や竹、林床に日が差し込まない原因となっている常緑樹があれば伐採します。

維持管理作業日には、大人数で枯れた樹木の伐採や下草刈りなどに取り組みます

 毎週水曜日の見回りは班別の少人数で行っていますので、多くの人手や長い作業時間が必要な場合は、毎月第2水曜日に行われる「維持管理作業」で対応します。
 この作業は、見回り担当以外の大人数編成による別動隊が携わります。一挙に13本もの枯れ松を伐採(写真㊦㊧)したり、広範囲で下草刈りをしたり、市民が参加する里山体験イベント「シイタケ栽培体験」で使う榾木(ほだぎ)を用意する(同㊨)といった場合です。
 北高上緑地以外のフィールドも含め、水曜日だけでなく、月に1、2回、木曜日にも作業日を設けています。
 このほか、里山体験イベントの準備を行うため、臨時に作業日を設けることもあります。

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活動場所は北高上緑地、水晶山緑地、総合運動公園・四季の森、鷹見の森…

 活動のフィールドは北高上緑地だけではありません。水晶山緑地(写真㊦㊧)、総合運動公園・四季の森のほか、岩崎台第1号緑地・鷹見の森(同㊨)、北新町や南高上の竹林など、さまざま。定期的に作業日を設け、樹木の伐採や下草刈りなど各地の里山の整備をしています。

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伐採した竹を使う炭焼きは、環境に優しい活動の一つの柱です

 伐採したコナラはシイタケ体験栽培の榾木として利用するほか、切り出したタケは竹炭材として有効活用するため、厳冬期と盛夏を除いて炭焼きも続けるなど、環境を考慮した活動にも取り組んでいます。
 ドラム缶を使った炭焼き窯は数年に一度更新しており、昨年11月、3年ぶりに新しい窯になりました。ドラム缶の溶接などの加工は業者に依頼。煙突、断熱材は通販で入手しますが、あとは解体も設置もすべて自前です(写真㊦)。

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 年末には、北高上緑地南入り口に手作りの門松を設けます(写真㊦)。マダケ、松、南天、隈笹…。土台のプラスチック製容器以外はほとんどすべて北高上緑地はじめ地元の里山産。それが自慢です。
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 こうした地道な活動に取り組んで17年。2023年8月に日進里山リーダー会は結成20周年を迎えます。
  
 最後に、組織と会議について触れておきます。
会則に戻ります。

事務局会…会則4~7条
 ①目的 会の運営に当たる。
 ②構成 代表1名、総務担当若干名、会計担当1名、作業担当1名、炭焼き担当1名、相談役1名、会計監査若干名
 ③任期 1年。再認可。
 ④開催 月1回
全大会…会則8、9条
 ①開催 年1回、会員参加
 ②審議・決定事項
   ▪事務局員の選任
   ▪会の活動計画
   ▪予算、決算
   ▪会則の改廃、会の解散
会費…会則10条
  年2,000円

 このほか、毎月月末に「総務会」があります。ここでは、「会の通信」のメール配信、郵送作業が行われます。
 「会の通信」は4ページで▽翌月の予定▽前月の活動一覧▽主なイベントや活動のグラフ特集ーなどで構成されています。

みんなで、わいわいがやがや。「森づくりくらぶ」は楽しいミーティングです

 もう一つ、大切な会議があります。それは、毎月第2水曜日の午後、「みんなの小屋」で開かれる「森づくりクラブ」です。
 みんなの小屋は、北高上緑地南入り口駐車場の一画に建てられているプレハブの建物。「森づくりクラブ」は参加自由で、話題もいろいろ。各メンバーから「〇〇をやってみたいんだけど…」「△△も面白そうな試みでは…」といった提案などが自由に出され、みんなで、わいわいがやがややります。
 話題が親睦旅行に移ると、とくに盛り上がるようです。
 こうしたミーテイングが、実に楽しいのです。
 コーヒーやお茶も出てきます。テーブルの上にいつも登場するのは"甘い誘惑"。健康のことを考えると遠慮しようと思うのですが、ついついスイーツやおせんべいに手が伸びてしまいます。

経験とスキルを活かし、参加できる時に、自分ができることを

 このように日進里山リーダー会は多彩な活動をしていますが、これといった堅苦しいルールはなく、「自分が参加できる時に参加し」「自分のできることをする」をモットーに、会員みんなが和気あいあいと活動するゆる~い集まりです。
 メンバーには、いろいろな特技を持った人がいて、ごく自然な形で研鑽を積むこともできます。

いつでも入会OK。一緒に里山保全に取り組んでみませんか!

 入会は、いつでもOKです。「里山保全実践講座」を受講してから入会してもよし、入会してから講座を受講するもよし。さあ皆さん、私たちの仲間の輪に加わって、一緒に里山保全活動に取り組んでみませんか!

問い合わせは、日進市都市計画課へ

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 (日進市発行「にっしんの里山 北高上緑地ガイドマップ」から)

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