里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

本年度「里山保全実践講座」の第2回が開かれ、受講者が実際に樹木の伐採を体験しました

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日差しを遮っていた常緑樹の伐採作業に取り組む受講生ら=日進市の北高上緑地で

 本年度の「日進里山保全実践講座」(日進市主催)が5日、同市の北高上緑地で開かれました。同講座は3回シリーズで、今回は10月17日に次いで2回目。テーマは「『北高上緑地の里山林保全活動』~健全で多様な里山の雑木林づくりを体験する~」で、受講した市民7人は講師を務める雑木林研究会の眞弓浩二さんから里山林の手入れの目的などについて説明を聞いた後、早速、緑地の中に入り、林内の適正な日照を確保するのに欠かせない樹木の伐採などを実際に体験しました。

 緑地内ではまず大崖道で、健全で成長力がある森は4階建ての階層構造を持っていること、低木や林床植物が生つためには光(照度)環境を整えてあげることが大切であることなどを学習。また、実際の樹形を観察しながら、実生更新と萌芽更新の違いについても確認しました。

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健全な森について説明を聞き、日照の大切さについて学びました

 この後、三角点の丘では、昨年の講座で伐採されたコナラの切り株について、萌芽更新を促すためには強い光が欠かせないとの説明を受け、受講者らは日進里山リーダー会メンバーのアドバイスを受けながら、日照を遮っていた周囲のネズミモチやアラカシ、ヒサカキなどの常緑樹を実際に伐採する体験をしました。

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のこぎりを手に実際に樹木の伐採に取り組みました

 作業後、辺り一帯は見違えるほど明るくなり、既に萌芽更新が始まっているコナラの切り株に日の光がたっぷり注ぐ様子をみて、どの受講者も満足げな表情を見せていました。

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枝落としの正しい方法や、シイタケ栽培用のほだ木についても勉強しました

 続いて、北尾根道へ移り、「足元の落葉樹を救うために常緑樹を伐採する」というテーマを与えられた受講生らは、自分でツツジなどの落葉樹を探し、日照を遮っているソヨゴなどを伐採したり枝落としなどをしました。
 三角点の丘で基礎をみっちりと学んだだけに、受講者はみな、てきぱきと作業に当たっていました。
 また、地面を覆っている落ち葉は、その下敷きになった種子の発芽に必要な光を遮っていることから、みんなで落ち葉かきをしたり地表をかく乱し、発芽スイッチを入れてあげる作業にも取り組みました。

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林間を明るくするため常緑樹を伐採。落ち葉かきや地表をかく乱し、眠っている種子の発芽スイッチを入れてあげることの大切さも学びました

 本年度の講座の最終回となる第3回は来年1月23日に開かれ、竹林の管理について学ぶ予定です。
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 この講座は2002(平成14)年度に里山保全、継承していく担い手を育成するため「賢者の森」で「里山保全リーダー養成講座」としてスタート。2006(平成18)年度に「里山保全実践講座」と改称、会場を北高上緑地に移して以降も毎年開かれています。本年度の第1回は10月17日に「里山の自然と保全活動の意義」~里山保全を考えながら、北高上緑地を歩く~をテーマに開かれました。
 日進里山リーダー会は、この講座の第1回受講者を中心に2003(平成15)年8月に結成され、現在の会員の大部分も講座の受講者で構成されています。