里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

日進里山リーダー会が日進市から委託を受け、北高上緑地の散策路・広場などの巡回、維持管理作業を始めてから10周年を迎えました。

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 上の文と写真は、日進里山リーダー会が10年前の2011(平成23)年度に日進市から北高上緑地の維持管理業務を受託することになったことを記したブログの記事です。これは、同緑地が開園した2013(平成25)年4月1日の2年前に当たります。
 記事を書いたのは、日進里山保全リーダー養成講座(現・日進里山保全実践講座)1期生で、日進里山リーダー会創設メンバーの1人である大先輩会員。
 委託を受けた業務の内容は、散策ルートの巡回と維持管理作業。巡回業務は、週1回、緑地内の安全を確認するために行うほか、台風通過後など、必要な時に随時行うことになっています。維持管理業務は、緑地内を安全、快適に維持するため、広場や散策路の除草や除伐などを月1回程度実施するものです。
 この記事の日付は2011(平成23)年4月19日ですが、最初の散策路巡回が行われたのは第1水曜日の4月6日(水)、2回目の巡回と第1回の維持管理作業が行われたのは第2水曜日の4月13日(水)と記されています。
 今でも日進里山リーダー会はメンバーを4班に分け、年末年始を除いて巡回は班ごとに交代しながら毎週水曜日に、維持管理作業は第2水曜日を中心に月1回程度、ずっと続けています。
 そしてこの業務が今月でちょうど10周年を迎えました。
 先輩たちの努力、継続力に敬意を表したいと思います。

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 そこで、10周年を迎えた今月の最初の巡回日に当たる7日、ちょっとした遊び心から10年前の写真記録が残っているのと同じ場所を探し、仲間のメンバーと一緒に記念写真を撮ってみました。
 今日はリーダー会創設メンバーの1人も巡回に参加されたので伺ってみました。「記憶にないなー」とのことでしたので、周りの樹木や景色などを基に場所を推定しました。
f:id:miffy17s:20210326164332p:plain:left:w350f:id:miffy17s:20210407130849j:plain:right:w350 まずは、ブログに掲載された最初の1枚から。崖と散策路の境に設けられた欄干の特徴などから、「南坂道」だと推定しました。
 ㊧が10年前に撮影された散策路巡回の様子です。そして㊨が今日撮影した写真です。
f:id:miffy17s:20210326164404p:plain:left:w350  次は、ブログに掲載されている2枚目の写真です。
 これも、地形や周囲の樹木の特徴などから、「南坂道」の途中に設置された防火水槽(現在は「13」と番号が振ってあります)と推定しました。
 ㊧が10年前に撮影された防火水槽の点検風景、そして㊦が今日撮影した写真です。 
f:id:miffy17s:20210407130833j:plain:right:w350 これらの写真を見て「懐かしいなー」と思われる先輩会員もいらっしゃると思います。
 10年も経っているのに、雰囲気はあまり変わっていないようです。

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 ここで、7日に行った作業を中心に、最近の巡回、維持管理作業を写真で振り返りながら、日進里山リーダー会が具体的にどのような作業をしているのかご紹介したいと思います。

f:id:miffy17s:20210407150922j:plain:left:w350 隊列をつくって緑地に入り、まずは散策路の安全確認をします(写真㊧)。
 f:id:miffy17s:20210407151231j:plain:right:w350雨で表土が流れ、木の根がむき出しになっていて、つまずいたり転倒することがあります。それを防ぐため、できる限り取り除きます。
 f:id:miffy17s:20210407130938j:plain:left:w350伸びた枝が散策路に張り出し、歩く人の顔に当たったりする恐れがあるものも切断します。
 下ばかり見ていないで必ず上も見て、落枝の恐れがないかどうかにも注意を払います。
 f:id:miffy17s:20210407131344j:plain:right:w350防火水槽のチェック(写真㊤)も大切な仕事です。水は十分溜まっているか、蓋はすぐに外すことができるかを確認します。
 木製テーブルやいすの拭き掃除(写真㊤)も欠かせません。家族連れなどが休憩して、お弁当を食べたりしますので、できる限りきれいにしています。
 f:id:miffy17s:20210407131032j:plain:left:w350今冬も雪の日が2日ほどありました。積雪は大したことはありませんでしたが、そんな雪の日も手を抜かずに掃除をします(写真㊤)。
 f:id:miffy17s:20210407153500j:plain:right:w350雨の日も、巡回は怠りません。西砂防広場がかなりの水深まで冠水したこともありますから、雨の日も要注意。
 f:id:miffy17s:20210407131250j:plain:left:h400看板や説明板、順路サインなども雑巾で汚れをぬぐいます(写真㊤)。
 散策路に落下している木の枝を処理(写真㊤)するのはもちろん、巡回途中でスズメバチを見つければ駆除もします。
 散策路上にむき出しになった木の根から樹液が出ているようなところは要注意。スズメバチを駆除したうえで、樹液が出ている木の根を取り除きます(写真㊧)。
 f:id:miffy17s:20210407131352j:plain:right:w370樹名板の新設、交換、補修(写真㊦)も仕事の一つ。ラミネートシートに穴をあけるパンチや紐、針金、挟み、木槌などの小道具も欠かせません。
 f:id:miffy17s:20210407131428j:plain:left:w350こうした小物類やコンパクトカメラ、望遠レンズを装着した一眼レフ、双眼鏡などを詰め込んだバッグを肩にかけ、腰に樹木用と竹用のこぎり、剪定鋏をぶら下げ、時には脚立まで担いで緑地内に入りますから、結構大変です。
 巡回日にチェックした事項を基に維持管理作業日に枯れた樹木を伐採したりしますが、巡回当日に処理できる場合は伐採などをすることもあります(写真㊤)。

f:id:miffy17s:20210407131336j:plain:right:w350 維持管理作業の日は、何本もの樹木の伐採(写真㊨)、草刈り(写真㊦)、竹林の整備など人手が必要な大掛かりな作業や土木工事に取り組みます。
 f:id:miffy17s:20210407132527j:plain:left:h400アップダウンがある里山の中なので車も重機も入れません。
 特に階段の補修(写真㊦)は大変。杭や踏み面の端に固定する横木に使う木材、つるはしやスコップ、掛矢(かけや=大きな木づち)などの道具は下から運び上げなければなりません。かなり重いので大変です。
f:id:miffy17s:20210407152927j:plain:right:w350 それに、こうした作業をこなす技術は昔は生活に必要でしたが、今では専門業者に依頼したりするようになったため、手仕事でこなすことができる人が少なくなっています。
 技術の伝承が課題となっているなか、巡回や維持管理作業は先輩から技術や仕事の段取りを学ぶ貴重な場となっています。