里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

北高上緑地のコバノミツバツツジが14日、開花しました。樹々の展葉もどんどん進んでいます。いよいよ本格的な春到来ですね!!

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 「北高上緑地のコバノミツバツツジが開花したよ」
 携帯電話の向こうから、弾んだ声が響いてきました。
 心なしか、やや興奮している感じです。というこちらも同様です。

 日進里山リーダー会の先輩から電話がかかってきたのは、14日昼過ぎのことです。
 実は、その時、北高上緑地へ出かけるのをためらっていたところでした。というのは、この日、東京でも桜が開花したというニュースが飛び込んできたので、《そろそろかな》とは思っていたのです。毎年、ソメイヨシノとコバノミツバツツジの開花は、ほぼ同時期だからです。しかし、この日は天気は良いものの北寄りの風が結構強かったため《今日は、お預けか》などと勝手に判断していました。
 そんな時にかかってきた1本の電話。昼食は後回しにして、すぐに「顕微鏡撮影」ができるコンパクトカメラと望遠レンズを装着した一眼レフをバッグに押し込み、車に乗り込みました。

 桜の「開花」とは「標本木のつぼみのうち、5~6輪の花が咲いた状態」を言うのだそうです。場所、樹種が異なっても、だいたいこの基準に準拠していると思います。ですから、電話がかかってきた時、こう問い返してしまいました。
 「やはり、中尾根道の標本木ですか?」
 ところが…
 「それが、違うんだよ」
 という返事でした。

 北高上緑地に到着。開花したというコバノミツバツツジが自生している場所を聞いておいたので、まっすぐに向かおうと思いましたが、《どうせ、緑地全域をくまなく確認しなければならないのだから》と、通常の巡回ルート通りに歩き始めました。
 週末の12日から13日にかけてかなりの雨が降り、14日は気温がかなり上がったせいでしょうか、前回、北高上緑地を訪れた10日から4日しかたっていないのに、雑木林の装いはかなり変わっていました。

 f:id:miffy17s:20210314165633j:plain:left:w4004日前に開花を確認したマキノスミレは、花を開いた株の数が一気に増え、10株ほどを確認しました。
 「うわー、こんなに咲いているわ」。散策に訪れた女性が、うれしそうな声を上げました。
 地上高3~4㌢と小さいので、注意して足元を見つめていないと見逃してしまいます。

f:id:miffy17s:20210314165303j:plain:right:w450 急ぎ足で歩こうと思うのですが、モンゴリナラ(フモトミズナラ)の展葉が確認できたり、あちこちの樹々のつぼみが膨らんでいたりしていたため、立ち止まっては写真撮影し、歩いてはまた立ち止まって写真を撮る…の繰り返しで、思った以上に時間がかかります。

 f:id:miffy17s:20210314165614j:plain:left:w400ヒサカキの花の開花は4日前に確認したばかりですが、北高上緑地の至る所で満開となっているのが目立ちます。とても小さな花なので、目を凝らして見てくださいね。

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 10日に南入り口駐車場からコナラの芽吹きを確認しましたが、この日は間近の大崖道・見晴らしポイントから望遠レンズを向けました。樹冠の芽吹きを、さらに近くから見ることができるとうれしいのですが…。
 f:id:miffy17s:20210314165434j:plain:left:w400フモトスミレも元気に育っていました。4日前はとても小さかったのに、春の陽をたっぷり浴びて、ぐんぐん成長しています。
 所々にコバノミツバツツジがぽつりぽつりと自生しており、目を凝らして探すのですが、花が開いているのは何株かのうちのたった1株に、しかもわずか「1輪」といった具合です。

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 ようやく目印として教えられた南尾根山道の「ネズ」のそばにたどり着いた時、思わず目を奪われました。
 北側の斜面を数㍍下った陽だまりに、コバノミツバツツジがぽつんと1株自生しており、枝いっぱいに花を咲かせていたのです。
 青い空をバックに、薄紫色の花が映えます。素晴らしいコントラストです。
 「長い間待ち続け、ようやく会うことができた」といったところです。
 
 実は、ここは、北高上緑地内に3カ所あるコバノミツバツツジ群落では全くなく、この株も毎年最初に開花する標本木ではありませんでした。全くノーマークだっただけに、少し驚きました。
 本来の意味での「開花宣言」とは違うかもしれませんが、先輩会員の判断通り「開花」を宣言することにしました。
 昨年は中尾根道の群落に自生する標本木が10日ごろに開花しているので、それに比べると4日ほど遅いようですが、例年に比べれば一週間ほど早くなっています。

f:id:miffy17s:20210311064138p:plain:right:w400 場所は、南尾根山道の「ヒサカキ広場」と「丘の上広場の」中間あたり。道の上をふさぐように「ネズ」が生えている所から数㍍北です(地図参照。クリックすると拡大表示されます)。ネズは樹名板がついているので、すぐに分かると思います。尾根道から数㍍下った谷筋の斜面で足場が悪く、付近にはかぶれを起こす樹も生えているので、近づくときには注意が必要です。

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f:id:miffy17s:20210314201010j:plain:left:w350 例年、最も早く開花する株がある中尾根道の群落も訪ねてみました。標本木周辺には10株ほど固まっています。どの株もつぼみがどんどん膨らんでいて、遠くから見ても薄紫色が目立つようになっています。でも、花が開いているのを確認できたのは10株のうちの1株だけ。しかも、たった1輪だけでした。それでも「開花宣言」が出せるのは間近。「秒読み」に入っています。

 南尾根里道と大レンガ堰堤広場のコバノミツバツツジ群落は、中尾根道の群落に比べるとやや遅れており、薄紫色が目に付くといった感じは全くありません。いずれも、広い群落の中で花が開いているのは、わずかに1株。しかも、たった1輪です。
 

f:id:miffy17s:20210314201206j:plain:right:w400 ところで、南入り口駐車場南側の土手に植えられているソメイヨシノのつぼみは、ご覧の通り。かなり膨らんできたのは確認できましたが、開花までにはもう少し時間がかかりそうです。

 その他の樹々の展葉の様子をお届けします。生命の息吹をたっぷりと感じ取ることができます。まさに、うれしい春到来です。
 左上から時計回りに①モンゴリナラ(フモトミズナラ)②ミヤマガマズミ③ウスノキ(カクミノスノキ)④モチツツジ⑤ネジキ⑥ゴンズイ
 ※写真をクリックすると拡大表示されます。アップでお楽しみください。

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