里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

見ごろを迎えた北高上緑地のコバノミツバツツジが日進市のHPで紹介されました。

f:id:miffy17s:20210323125343j:plain
               ◇
f:id:miffy17s:20210427190050p:plain
               ◇
 北高上緑地のコバノミツバツツジが紹介されたのは、4月2日に更新された日進市ホームページ(HP)の中の「まちの話題」~「最近のニュース」~「2021年3月31日 市内の桜などの開花状況」のページです。
 「暖かい日が続き、桜などの花が満開を迎えました。3月30日・31日現在の桜(ソメイヨシノ)やコバノミツバツツジの開花状況をお知らせします」としたうえで、岩崎城址公園や岩崎川などの桜の様子とともに北高上緑地(岩崎町)で見ごろを迎えたコバノミツバツツジも紹介してくださいました。
 30日にたまたま私が「コバノミツバツツジ観賞会」(日進里山リーダー会主催)の当番として、南入り口の一角にある「みんなの小屋」前で待機していた際、市広報課担当者が取材のため来訪されましたので、「南尾根十字路」西の「コバノミツバツツジ群落」などを案内させていただきました。
 コバノミツバツツジだけでなく、ちょうど同時に咲き始めたマルバアオダモについても写真付きで紹介させていただきました。
 おかげさまで、いいPRになりました。ありがとうございました。

見ごろを迎えている北高上緑地(日進市)のコバノミツバツツジが1日付の中日新聞で紹介されました。

  コバノミツバツツジが紹介されたのは、同日付中日新聞朝刊なごや東版。年度替わりで記事量が多く、紙面に余裕がなかったようですが、「ツツジ5000本 里山彩る」という見出しで写真とともに大きく掲載されています。
 取材に訪れたのは、記事の隣の「尾東 こぼれ話」に登場した平木友見子記者。訪れたのは前日の3月31日。この日は、同緑地の保全・整備活動に取り組んでいる市民団体・日進里山リーダー会が毎週定期的に散策路などの点検巡回をしている水曜日だったため、15人ほどのメンバーが活動をしている最中でした。その姿を追いかけながら取材をしてくださいました。
 掲載された記事では、里山を薄紫色に彩るコバノミツバツツジを中心に、白い花と赤みがかった葉を同時に付けているヤマザクラ、2年ぶりに白い花を咲かせ始めたマルバアオダモなども紹介されています。
                ◇
f:id:miffy17s:20210327132702j:plain
 同じ北高上緑地内のコバノミツバツツジでも、それぞれの個体による個性や日当たりなど環境の違いから、咲く時期はまちまち。既にピークを過ぎたものもありますが、これから満開となるもの、蕾のままのものなど、状況はさまざまです。
 まだまだ、あと10日ほどは楽しめそうですが、今度の日曜日は再び雨模様、週明けの月曜日以降も曇りがちの日が続く予報が出ているため、青空に映える紫色の花が存分に楽しめる見ごろのピークは今週いっぱいとなりそうです。
 今年は、新型コロナ感染症拡大防止のため、例年開かれている「コバノミツバツツジまつり」(日進市主催)は中止になりましたが、その代わり日進里山リーダー会が規模を縮小した「コバノミツバツツジ観賞会」を開催中。4日(日)まで毎日、午前9時ー正午、南入り口駐車場の「みんなの小屋」で、その日の開花状況やお薦めスポットなどの情報提供をしています。

「山笑う」?! 「山が笑う」って、一体どういうことなのでしょう?! 笑ってごまかさずに、きちんと調べてみました。その結果は…。

f:id:miffy17s:20210330221527j:plain
 「山笑う」―。
 青空がすっきりと広がった31日、日進市の北高上緑地駐車場に車を止め、北側の斜面に広がる里山の樹々を見上げた時、ふと、この言葉を思い出しました。
 もう半世紀近くも山登りをしているので、初夏になるたびに、出かけた先の山の中で、この言葉が表現する(と思っていた)光景に出会ったものです。
 最近は登山から遠ざかっているため、しばらく「笑う」山には接していなかったのですが、今日は何と、標高100㍍にも満たない里山で、ふいに「笑う」山に出会うことができたように思いました。
 昨日に比べると、黄砂の影響が和らぎ、きれいな青空が広がったせいもあるのでしょうが、文字通り、笑う山の中に身を置くような浮き浮きとした気分を味わいました。

 f:id:miffy17s:20210331170809j:plain:right:w350ところで、随分前から接してきたこの言葉。きちんとしたことも知らずに、適当に使ってきたような気がします。そもそも、どのような意味なのでしょうか。そして、どのようにした生れたのでしょうか。気になって、調べてみました。

 まず、その意味から。
 「春になり、新芽が出て花が咲き始め、山が色とりどりに変ってきた時の様子」
 「春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになる様子」
 「新しい草花が芽吹いてきてそれに春の陽が当たり、山全体にのどかで明るい感じがする春の山の様子」
 …などと説明されています。似たり寄ったりで、キーワードもほぼ同じです。
 f:id:miffy17s:20210331170920j:plain:left:w350私は今まで「山笑う」と言えば「初夏」をイメージしていました。「新芽」の時期というよりは、季節がもう少し進んで、「新緑」がさわやかな5月ごろと勝手に決め込んでいたのです。
 里山や低山に傾斜している昨今と違って、3000㍍峰のピークだけをひたすら狙っていた若いころには、「花」とか「のどか」といった感性がほとんどなかったからなのだと思います。
 まあ、5月も春の一部でしょうから、間違いではないのかもしれませんが、実際はもう少しさかのぼって桜が咲くころのイメージで使われているような感じがします。 
 
 f:id:miffy17s:20210331171026j:plain:right:w350この「山笑う」という擬人化した面白い表現、一体、どこの誰が発した言葉なのでしょうか。きっと、センスがいい人のような気がします。
 どの資料を見ても答は同じで、「北宋の画家・郭煕(かくき、1023年?―1085年?)」ということのようです。
 ですが、出典については微妙に食い違っています。いろいろ調べた結果、どうやら次のようなことが分かってきました。
 日本で知られているのは、山水に関するさまざまな画論や名文などを集めた文集「臥遊録(がゆうろく)」。「臥游録」と表記するのが正確かもしれません。この「臥遊録」の中で郭煕の言葉が紹介されているようです。
 f:id:miffy17s:20210331171116j:plain:left:w350「臥遊録」の著者は郭煕自身という説明をするwebサイトもありますが、これはどうも違うようです。
 国立国会図書館が全国の図書館などと協同で構築している調べ物のためのデータベース「レファレンス共同データベース」の「レファレンス事例詳細」によると、「臥遊録」の著者は「呂祖謙(りょ そけん、1137年-1181年)となっています。
 ただ、「郭煕の言葉が最初に出てくる書物を出典として挙げるとすれば、(郭煕の)子の郭思が編集した『林泉高致集』とすべきではないか」と指摘する人も何人かいます。
 f:id:miffy17s:20210331171220j:plain:right:w350それはともかく、これらの中で紹介されている郭煕の言葉とは…。
「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」
 表記も含めて分かりやすく書くと、このようになります。
 「淡治(たんや)」は、原文では「澹冶」となっているようで、どちらも「うっすらと艶めくこと」だとか。
 そして、これが俳句などで季語として使われるようになったのだそうです。
 つまり…
 「山笑(わら)う」……… 春の季語
 「山滴(したた)る」……夏の季語
 「山粧(よそお)う」……秋の季語
 「山眠(ねむ)る」……… 冬の季語
ということになります。

 「この言葉、気に入った」という方もいらっしゃるかもしれませんね。俳句だけでなく、時候の挨拶としても使えますので、よろしければどうぞ。
 「拝啓 山笑う候、〇〇様におかれましては…」といった具合。
 「いかにも固い」と思われる方は、「山笑う」を「山笑のみぎり」「山笑の折」と言い換える手も。
 それでも「まだ表現が固くて使えない」という方は、この際「山笑う」を外して、次のようにすればいいかも。ある専門家のアドバイスを紹介しておきます。
 「草花の芽吹きに心浮き立つ季節がやってきました。皆様には健やかにお過ごしのことと…」
 ただ、「山笑う候」は、暦の上の春の半ばの時候の挨拶。あまり遅いと、ちょっとイメージがずれてしまうかもしれません。
 一部には「3月の時候の挨拶(書き出し)」とするサイトもあります。
 「わー、大変だ! 3月は今日で終わりだー!」
 今回のブログ、もう少し早く書けばよかったですね。すみません。

               ◇
 f:id:miffy17s:20210331173741j:plain:right:w100さて、いろいろ調べて、今回も多くのことを知りました。まさに《へぇ~、そうなんだぁ!》と、驚くことばかり。知らないことだらけで恥ずかしくなります。 
 駆け出し里山逍遥人こと「里山のぽんぽこりん」の勉強は、まだまだ続きます。

【出典、参考webサイト】
①フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」/山笑う
②haconiwa/「山が笑う」という言葉を、知っていますか?
③笑える国語辞典/山笑う
小学館デジタル大辞泉/山(やま)笑(わら)う
⑤季語・季題辞典/山笑う
Wiktionary/山笑う(やまわらう)
⑦季節お役立ち情報局/山笑う・山滴る山粧う・山眠るの意味。季語の時期や俳句は?
⑧小さな資料室/資料317 山笑う・山粧う・山眠る(『改正月令博物筌』・『臥遊録』より)
⑨レファレンス共同データベース/質問「『臥遊録』の著者、年代、内容などが知りたい」と回答
⑩四季おりおり快適生活/山笑う候が使える時期! 意味・読み方・お役立ち文例
⑪トレンド豆知識/山笑うとは? 意味や由来! いつの時期で季語としての使い方は?
⑫年賀状・暑中見舞いドットコム/時候のあいさつ(書き出し)と結びの文例
 

春の芽生えや若葉の時、ヤマザクラのように葉が緑ではなく赤くなるのは一体なぜ?

f:id:miffy17s:20210330154719j:plain
 北高上緑地のコバノミツバツツジが見ごろを迎えた30日、妻と知人を誘って観賞に行ってきました。初めて訪れたという知人はコバノミツバツツジを中心とする里山の景観(写真㊤)にすっかり魅了された様子。樹々などの解説付きで案内した私も≪お誘いして分かった≫と、うれしく思いました。

f:id:miffy17s:20210330155121j:plain:right:w350 ただ、一つだけ反省点があります。それは…。
 緑地内のあちこちで開花しているヤマザクラ(写真㊨)の下を通りがかった時、こんな説明をしました。
 「基本的に、開花と同時に葉が出ます。花が咲いた後で葉が出るソメイヨシノと違う点です。しかも、葉が緑色ではなく、赤みを帯びているのが大きな特徴なんですよ」
 これはこれでいいのですが、では「なぜ緑色ではなく、赤みがかかっているのか」という点については、きちんと説明せずに終わってしまったのです。
 知っていながら説明を怠ったのではなく、知識としてしつかり身に付けていなかったというのが本当のところです。こういうことって、よくありますよね。現象面だけ、つまり上っ面だけ触れて、原因とか、背景とか、本質についてはあまり突っ込んで考えないことって。
 そこで、反省も含めて、きちんと調べてみました。
 驚いたことに、芽生えや若葉の時に葉が赤くなる植物は、ヤマザクラだけでなく、かなりたくさんあったのです。
f:id:miffy17s:20210330182100j:plain:left:w350f:id:miffy17s:20210330174019j:plain:right:w350 現在、91種類が確認されている北高上緑地の樹木リストの中で該当するのは、8種類。写真は、ヤマザクラを除き上から順に①アカメガシワ②アラカシ③カナメモチ④クスノキシラカシ⑥シャリンバイ⑦モッコク。
f:id:miffy17s:20210330195027j:plain:left:w350 どうやら春の赤い葉は、秋の紅葉と同様、「アントシアニン」という物質が関与しているらしいのですが、次に驚いたのは、どちらも原因というか理由については「はっきり分かっていない」のが現実、ということです。
f:id:miffy17s:20210330194540j:plain:right:w350 諸説あるようですが、「分かっていること」こと、「証明されている」ことも、いくつかあるようです。
 日本植物生理学会のホームページにある「植物Q&A」から引用します。「葉の色が新緑の時は赤で時間が経つと緑になるのはなぜですか?」という問いに対する回答です。

①葉が赤いと葉の温度(葉温)は高くなる。
②赤い色素(アントシアン)には、抗菌作用や虫の幼虫を寄せ付けない作用もある。
③赤い色素は、葉緑体(緑色色素を作り、光合成を行う器官)の発達を促進する働きと発達中の葉緑体を紫外線から守る働きを持つ。

f:id:miffy17s:20210330194517j:plain:left:w350 簡単に説明すると、アントシアニンによって寒さや食害を及ぼす虫たち、紫外線から守っている―ということになります。【注】
f:id:miffy17s:20210331063352j:plain:right:w350 f:id:miffy17s:20210330194501j:plain:left:w350まるで人間の「赤ちゃん」のようですね。赤ちゃんが文字通り赤く見えることについてもさまざまな説明がされていますが、赤い葉と共通するものも見受けられます。
 こうして葉はさまざまな外敵から守られながら成長。自分の力で外敵に対抗できるようになると、蓄積する物質が赤のアントシアニンから緑のクロロフィルに移行し、緑の葉に変わるようです。
 つまり、芽生えや若葉の時に葉が赤くなるのは、「生き残るための戦略」と言えそうですね。

f:id:miffy17s:20210331072507j:plain:right:w350 ただ、ちょっと変わっているのは①のアカメガシワ。「大崖道」の「見晴らしポイント」直下の崖に生えている赤いアカメガシワの葉を爪でこすると、何と緑色の葉が現れました(写真㊧)。赤く見えているのはアントシアニンによるものではなく、緑色の葉本体表面に赤い毛がびっしりと生えていたからだったようです。葉本体はともかく、この赤い毛はアントシアニンと関係があるのかもしれませんが…。これには少し驚きました。

 さて、いろいろ調べて、今回も多くのことを知りました。
 まさに《へぇ~、そうなんだぁ!》と、驚くことばかり。
 知らないことだらけで恥ずかしくなります。 
 でも、知らないことが多い分、知った時のうれしさもたくさんあるということです。
 知っているのと知らないのとでは大違い。
 里山で出会う樹木とも、今までとは向き合い方が違ってきます。

 時間が許す限り丁寧に調べ、一生懸命勉強してはいますが、素人故、事実誤認したり、早とちりしていることもあると思います。ご容赦を。「素人故」は、ただの甘えだとは思っていますが…。

 駆け出し里山逍遥人こと「里山のぽんぽこりん」の勉強は、まだまだ続きます。 

【注】
アントシアニンとアントシアン アントシアニン(英: anthocyanin)は、植物界において広く存在する色素、アントシアン(英: anthocyan、果実や花の赤、青、紫を示す水溶性色素の総称)のうち、アントシアニジン(英: anthocyanidin)がアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分のこと。高等植物では普遍的な物質であり、花や果実の色の表現に役立っている。フラボノイドの一種で、抗酸化物質として知られる。
              出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

【出典、参考文献・webサイト】
①日本植物生理学会/みんなの広場/植物Q&A/葉の色が新緑の時は赤で時間が経つと緑になるのはなぜですか? 
②日本自然保護協会/「自然保護」NOV./DEC 2011 №524/今日から始める自然観察/春の赤い葉 秋の赤い葉
③庭園日誌(京都の造園会社・大幸造園のスタッフブログ)/カナメモチ、春先に赤い葉を出すのはなぜ?
④自然、発見!/若葉はなぜ赤い
⑤Botanicai Artsalon/春に紅葉?  赤い若葉の謎
⑥樹樹日記/赤い若葉、新芽はなぜ赤いのか?
⑦庭木図鑑 植木ペディア/アカメガシワ、アラカシ、カナメモチ、クスノキシラカシ、モッコク、ヤマザクラ
千葉県立中央博物館/アカメガシワ
⑨三貫清水の会/赤い色で身を守る…アカメガシワ
⑩神戸の花と木の様子/クスノキの落枝
⑪植木屋じぃじ/若葉は赤で身を守る
⑪森林・林業学習館/樟・楠
⑫フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』/アントシアニンとアントシアン

気温がぐんぐん上昇、北高上緑地のコバノミツバツツジが見ごろを迎えました。里山を紫色に美しく染めています。

f:id:miffy17s:20210329143155j:plain
 天気が回復して青空が広がり、初夏を思わせるような陽気に恵まれた29日、日進市の北高上緑地に出かけました。「コバノミツバツツジ観賞会」2日目の28日はあいにくの天気となり、時折やや激しい雨にたたられたため花の様子がちょっと気にかかっていたのですが、それも杞憂に終わり、コバノミツバツツジたちは元気に咲き競っていました。次の日曜日以降も天気が崩れそうなので、今週いっぱいが見ごろと言えそうです。    ※写真、地図はクリックすると拡大表示されます。
 

f:id:miffy17s:20210329143606p:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210329144235j:plain:left:w350 南ゲートからアプローチを経て階段を何段か上ると、北高上緑地への入り口です。階段を上り切った所にある1本のコバノミツバツツジも開花し、来訪者をにこやかに出迎えてくれます。
 階段を下りたところにあるヤマザクラも歩調を合わせて開花。根元から分かれた細い幹に白い花と赤みを帯びた新葉がついています。ともに目の高さのため、じっくり観察することができます。
f:id:miffy17s:20210329233118j:plain:right:w350 まずはコバノミツバツツジ群落の様子から。3つの群落のうち「南尾根里道」の群落(写真㊨)では、ほぼ全域で開花。ちょうど見ごろとなりました。

 「中尾根道」の群落では、早い時期に開花した標本木を中心とした10株ほどが早くも終盤。代わって、その西側のエリアで見ごろを迎えています。「西砂防広場」北の散策路を東へ少し歩くと、薄紫色の景観が目に飛び込んできます。

 「大レンガ堰堤広場」の群落も、ちょうど見ごろです。同広場と「南尾根里道」を結ぶエリアでもあちこちで咲き競っており、見る人の目を飽きさせません。

 群落以外でも、意外な所で《こんなにたくさん咲き誇っていたなんて》と驚くスポットがいくつもあります。

f:id:miffy17s:20210329144014j:plain:left:h400 その一つが、「西砂防広場」から散策路を挟んで北西へ少し離れたエリア。特に、コバノミツバツツジとミヤマガマズミ、コナラが並んだスポットでは、コバノミツバツツジの薄紫色、ミヤマガマズミの若葉の黄緑色と開花直前の花の蕾の白色、コナラの芽吹きの銀色が重なり合って見事な景観をつくっています。
 ここから北へ向かい、「コシダの小径」に至る上り階段沿いにも思った以上に自生しており、階段を上り下りするとエリア一帯を俯瞰したように見渡すことができます。上空をドローンで飛んでいるような感じで、たのエリアでは味わえない楽しさがあります。

f:id:miffy17s:20210329144021j:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210329144037j:plain:left:h400f:id:miffy17s:20210329144116j:plain:right:w350 もう一つのスポットが、「南尾根山道」の「北高上の涸滝」~「ヒサカキ広場」区間。見ごろを迎えた株(写真)や㊨、開花直前の株などバラエティーに富んだコバノミツバツツジが散策路を挟んで競演しており、群落とは一味違った趣を見せています。
 「ヒサカキ広場」では、咲き始めたコバノミツバツツジの後ろでヤマザクラが満開となっています(写真㊧)。

 このほか、「大崖道砂防広場」のコバノミツバツツジも見事。アップダウンが少しきついエリアですが、ユニークな形の葉が展葉しているモンゴリナラ(フモトミズナラ)、白い花が開花直前となっているアズキナシ、黄緑色の若葉がさわやかなネジキなどとともに出迎えてくれます。

 もう一つのお薦めスポットは、「南尾根十字路」の南エリア。「こもれびの道」を北進すると、両側に白い花と赤みを帯びた若葉を付けたヤマザクラに挟まれてコバノミツバツツジが咲きそろい、見ごろとなっています。群落へいざなうアーチのような感じです(写真㊤)。

 f:id:miffy17s:20210329154210j:plain:left:w350このほか、ぜひ見ていただきたいのが、コナラの花(写真㊧)。この写真のコナラは、「大崖道」の途中から北へ分岐する「南坂道」へ少し入った西側にあります。
 コナラの花は若葉の展開と同時に咲きます。枝に多数垂れ下がっているのが雄花序。雄花は、黄褐色で小さく、一つの花序に多数付きます。雌花は望遠カメラや双眼鏡では確認できませんでした。
 花が咲いているのは26日に確認できたのですが、この日は風が強かったため枝が大きく揺れ、うまく撮影できませんでした。
 今のところ、北高上緑地内のコナラのうち、花が咲いているのを確認できるのは、この個体だけのようです。

 この日撮影したその他の樹々の様子をお届けします。
 左上から時計回りに①アズキナシ②サルトリイバラ③ウスノキ(カクミノスノキ)④マルバアオダモヤマザクラエドヒガン(?)⑦ミツバアケビ(?)⑧クロバイ

f:id:miffy17s:20210329163528j:plainf:id:miffy17s:20210329163541j:plain
f:id:miffy17s:20210329163616j:plainf:id:miffy17s:20210329163622j:plain
f:id:miffy17s:20210330220352j:plainf:id:miffy17s:20210329181245j:plain
f:id:miffy17s:20210329163628j:plainf:id:miffy17s:20210329164135j:plain

日進市の広報誌4月号で「タケノコ掘り体験」など「北高上緑地里山イベント」が紹介されました。応募はお早めに。

f:id:miffy17s:20210327170315j:plain

f:id:miffy17s:20210327165025j:plain:right:h300 日進市の広報誌「Nisshin 広報にっしん」4月号が、26日の日進市のホームページで公開されるとともに、各戸配布も始まりました。
 このうち13㌻に掲載されているのが、上半期分の「北高上緑地里山体験イベント」。紹介されているのは、次の3つです。

①タケノコ掘り体験=4月17日(土)
  竹林で竹の生育やタケノコの掘り方を
 学びます。掘ったタケノコは持ち帰り、家庭で味わっていただきま
 す。

里山を歩こう(里山自然観察会)=5月15日(土)
  里山を観察し、自然を感じながら散策。多様な森の景観を楽しみ
 ます。

③竹炭を家庭で使ってみよう=6月5日(土)
  竹炭作りを体験するとともに、竹炭の利用方法を学びます。焼いた竹炭は持ち帰り、家庭で使っていただきます。

 いずれも、事前の申し込みが必要です。特に、①タケノコ掘り体験は申し込み締め切りが4月5日(月)と早いのでご注意ください。応募者多数の場合は抽選。また、①は参加費が必要。②③は無料です。
 詳しくは「広報にっしん」4月号か、同市のホームページをご覧ください。 

 この「北高上緑地里山イベント」は日進市が主催し、同緑地の保全・整備活動に取り組んでいる市民団体・日進里山リーダー会が毎年、企画・運営を担当しています。

北高上緑地で27日、「コバノミツバツツジ観賞会」が始まりました。里山を紫色に染める可憐な花々。ピークは週明け以降になりそうです。

 f:id:miffy17s:20210327132702j:plain
 日進市里山・北高上緑地で27日(土)、「コバノミツバツツジ観賞会」が始まりました。初日から家族連れなど多くの市民が訪れ、華麗に咲き誇るコバノミツバツツジ(写真㊤)と1年ぶりの再会を楽しんでいました。         ※写真、地図はクリックすると拡大表示されます。 

f:id:miffy17s:20210327125638j:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210327125647j:plain:left:w350f:id:miffy17s:20210327125655j:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210327125701j:plain:left:w350f:id:miffy17s:20210327125729j:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210327125734j:plain:left:w300 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、同市主催の「コバノミツバツツジまつり」は昨年に続いて中止になったため、同緑地の保全・整備活動を続けている日進里山リーダー会が規模を縮小した「観賞会」を企画しました。4月4日(日)までの毎日、午前9時から正午まで、会員が交代で同緑地南入り口駐車場の一画に立つ「みんなの小屋」に常駐し、来訪者に見ごろやお薦めスポットなどの情報提供をします。f:id:miffy17s:20210327125737j:plain:right:w350 
 同会が「観賞会」初日のこの日に取り組んだのは、幟立て。「コバノミツバツツジまつり」と白く染め抜かれた薄紫色の布地をポールに取り付けて幟を用意。これを南駐車場南側の県道沿いと西入り口に立てました。両入り口とも、ちょうどソメイヨシノがほぼ満開。通行車両の車窓からこの様子を見ていた市民らに「コバノミツバツツジの季節がやってきましたよ」と、里山にも本格的な春が訪れたことをアピールしました。
 幟を立てた後は、案内板の設置作業。南、西両入り口から入った来訪者が、迷わずに「コバノミツバツツジ群落」に向かうことができるようにと、散策路の案内標識や樹木の幹に取り付けて回りました。
 その途中、散策路の上にたまっていた落ち葉を路肩に寄せ、お年寄りらが歩きやすいようにしました。急に気づいた作業のため道具を持ってきておらず、足で枯れ葉を取り除く作業となりました。

f:id:miffy17s:20210320075357p:plain:left:w350f:id:miffy17s:20210327125813j:plain:right:w350 f:id:miffy17s:20210327125839j:plain:left:w350 肝心のコバノミツバツツジの様子は…。3大群落のうち、最も早く17日に標本木を中心に10株ほどで開花が確認された「中尾根道」の群落(写真㊦)は、この10株がピークを過ぎた後はやや遅れ気味の感じです。 
f:id:miffy17s:20210327125851j:plain:right:w350 この日、訪れた人の反応が最も良かったのは「大レンガ堰堤広場」の群落(写真㊦)。広い範囲でほぼ均一に咲きそろっており、ピーク間近といった状況です。
 もう一つの「南尾根里道」の群落(写真㊦)は、開花が進まずにやきもきしていましたが、ここ2、3日で後れを挽回し、かなり咲きそろい始めました。 
f:id:miffy17s:20210327125859j:plain:left:w350 今、お薦めは、「大崖道砂防広場」のコバノミツバツツジたち(写真㊦)。群落の指定はされていませんが、散策路脇のあちこちで見ごろを迎えています。
 目を引いているのは、ネジキに隣接した1株(写真㊧)。展葉が進んで黄緑色の葉がさわやかなネジキの横で薄紫色のコバノミツバツツジが咲き誇っており、美しいコントラストを描いています。

 明日28日(日)は、あいにくの雨模様の予報。しかも、かなり荒れそうです。でも、この雨が催花雨となり、週明け後に気温が一気に上がると、いよいよピークに。ほぼ全山が紫色に染まり、あちこちで大競演となりそうです。

f:id:miffy17s:20210327153408j:plain:right:w350f:id:miffy17s:20210328063205j:plain:left:w350 ところで、忘れてはならないのが、開花が進むヤマザクラ。23日に、南ゲート北側の1本が最初に開花(写真㊨)した後、緑地内の至る所で咲き始めています。葉が開くと同時に花が咲き、しかも葉が赤みがかっているのが大きな特徴です。
 この日も、「南尾根山道」の途中にある「ヒサカキ広場」奥の1本がほぼ満開になっているのを確認しました。
 しかし、周辺にさまざまな樹木が生い茂り、これまで整備の手があまり加えられていなかったことから樹々の枝が絡み合い、林床に陽の光が届かない状態になっていました。
 特に、手前に常緑樹の大きなカクレミノが生えていて広場からの眺めを遮っていたため、これらを伐採して整理し、見事なヤマザクラを観賞することができるようにしました。ぜひ、お立ち寄りください。

f:id:miffy17s:20210327125912j:plain➡ f:id:miffy17s:20210327125943j:plainf:id:miffy17s:20210327125924j:plain