里山って いいな

里山・低山の魅力を伝えていきたいと思います

ごみの不法投棄が後を絶たない雑木林や竹林。捨てた人の心理が理解できず、首をひねる事例も…

鷹見の森。小規模だが、住宅街の公園に隣接する雑木林として地域住民から親しまれている
鷹見の森。小規模だが、住宅街の公園に隣接する雑木林として地域住民から親しまれている

 好天に恵まれた4日、久しぶりに「鷹見の森」に出かけた。ごみが不法投棄されていないかどうか確かめるためだ。
 この森はかつて、オオタカの餌の調理場として利用されていたという。今は、市民・行政のパートナーシップにより、日進里山リーダー会が保全活動をしている。私も今年は2度、下草刈りなどの整備活動に参加した。

写真は左から①森の入り口に立てられている看板②下草刈りなどの整備をする日進里山リーダー会のメンバー

 それとは別に、わが家は本年度、この森の一部と、森に隣接する公園の一部が含まれている(とみられる)自治会の役員を務めている。
 f:id:miffy17s:20201204163607j:plain:right:w300住宅地図を見ると、隣接する自治会との境界線が複雑に引かれている。さらに、森の一画にある竹林は市と2個人の3者が所有地となっているが、境界線がはっきりしていないという。
 そんな複雑な事情もあってか、この地域一帯に不法投棄されたごみの処理がなかなか進まなかった。ごみの処理が進まないのに、ごみは次々と不法投棄されている。不法投棄をしないように警告する看板は何枚も立ってはいるが、効果はない(写真㊤㊦)。
 f:id:miffy17s:20201204170248j:plain:left:w200その竹林の東側と北側に市道が走っていて、竹林は道路から2―3㍍下の窪地のような所に広がっている。おまけに、竹林の管理が適切に行われていないため、林内はいつも薄暗く、何となく「ごみを捨てやすい」雰囲気となっていた。
 「どこの管轄? 誰の責任?」なんてことを言っていても埒が明かないので、連絡がつく所有者の1人から承諾を得て私有地にも立ち入り、自治会が夏以降、ごみ一掃作戦を繰り広げている。
 作戦第一弾では、2、3日で拾い集めたペットボトルや食品トレーなどは45㍑のごみ袋10袋以上。タイヤ6本、ゴルフバッグ3個、スーツケース、マットレス(写真㊦㊧)といった粗大ごみもあった。適度な竹林密度となるよう竹を伐採して林内を明るくし、ごみを投棄しにくい環境にもした。

f:id:miffy17s:20201202192924j:plain]f:id:miffy17s:20201202212459j:plain

 ところが、粗大ごみなどを一括処分してから1週間もたたないうちに、今度は鷹見の森散策路脇に椅子(写真㊤㊨)が投棄されているのを見つけた。森の入り口から50㍍ほど入った所だ。車は入れないので、道路脇に止めた車から運び込んだのだろう。道路を挟んだ反対側には、一戸建て住宅や集合住宅があり、昼間は人目に付きやすいので、夜、密かに不法投棄したらしい。まさに、いたちごっこ。付近の住民も、唖然としていた。
 その後、しばらくの間は問題は起こらなかったが、この日、道路下の竹林に菓子や家庭用品などの空き袋、廃タイヤ1本などに交じってペットボトルが数本捨てられているのを見つけた。
 このペットボトル、不思議なのである。ラベルはきちんと剥がされているうえ、よく見ると中もきれいに洗ってある。つまり、スーパーや公園の一画に設けられているリサイクルボックスに持っていく途中に捨てられたような感じなのである。

拾い集めたごみ。"不思議なペットボトル"もあった

 飲んだ後、歩きながら、あるいは走行中の車の中から投げ捨てられたのとは明らかに状況が違う。こんなにきれいに処理しておきながら、適正に処理するのではなく、なぜ不法投棄したのか。捨てた人の心理が分からない。
 しかも、地域住民が汗してクリーンにして、ごみを投棄するにはためらうようにきれいになり、捨てれば誰の目にもつくような竹林に捨てるとは…。
 なんとも、理解しがたい。腹が立つというより、不思議でならない。
 「ごみをポイ捨てする人の心理」などについて、多くの識者らが持論を展開している。どれも、それなりに面白い。が、その心理分析が問題の完全解決のための対策に役立っているかどうかということになると、疑問符が付く。
 〈ならば、自分で研究してみよう〉と思い立った。疑問に思ったら、根を詰めて調べまくる質(たち)だし、「人間の心理」は興味深いテーマでもある。
 やれやれ、これで勉強のテーマがまた一つ増えてしまった。まあ、清掃活動は事後的な対策であるし、たとえどんな対策をとっても「捨てる」人は「捨てる」だろうから、「無駄な研究だ」と言われそうだが、広い意味で「人間の行動研究」ということになれば、それはそれで面白いのでは…。ごみ捨てがなくなるような対策がひらめくかもしれないので、私なりにじっくり研究してみようと思っている。

 【追記】
 決意や意気込みはいいとしても、今度はいつしか忘れてしまうことがないよう自ら戒めている。
 というのは、ごみ関係で言えば、今春、ごみステーションに出されたごみ袋をあさるカラスの生態を研究しようと思い立った。当時、ごみネットを出す当番で、カラスによる被害に悩まされたからだ。ところが、半月で当番が終わった途端、研究しようと思い立ったことすら忘れてしまった。半年以上たった今、また当番が巡ってきて、失念していたことを思い出した。
 いやはや、情けない。何事にも、意気込みだけは誰にも負けないのに…。
 いくら関心があっても、熱意はそういつまでも続くものではないだろうが、今回はできるだけ心してかかってみようと思っている。