「里山って 面白そうだな」「そうだ、週末は北高上緑地へ行こう!」と思っていただければ、うれしいな
にっしんの里山・北高上緑地(きたこうじょうりょくち)―。
「聞いたことはあるけど、行ったことはないし…。どこにあるんですか? どんな所なんですか?」
知人から、こんな質問をよく受けます。
北高上緑地を初めて訪れた方からも、いろんな質問をいただきます。
「いつでも入れるのですか?」
「散策路があるんですか? 高齢者でも大丈夫ですか?」
「子どもが遊べるような遊具もあるんですか?」
「見所は?」
身近にあるのに、皆さん、意外にご存じないようですね。でも、北高上緑地で行われるいろいろなイベントや募集案内は日進市の広報誌や新聞などで時々紹介されているんですよ。
「にっしんの里山 北高上緑地」というタイトルのリーフレットをご覧になったことはありませんか。市が発行していて、北高上緑地の南入り口と西入り口の総合案内板に常備されています。
まだ訪れたことがないという方のために、このリーフレットをもとに北高上緑地をご紹介しましょう。便利な情報を分かりやすくたくさんお伝えしたくて写真もふんだんに使いました。雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。
まず、概要を説明したページから拾い読みしてみましょう。
ナゴヤドームの建築面積はざっと4.8㌶(ha)なので、その1.8倍の広さということになります。なかなかの広さですね。
このうち約8.3ヘクタールは2005(平成17)年に土地所有者から「開発ではなく保全して有効に使うこと」を条件に市に寄付されました。
そこで市は、「里山保全リーダー養成講座」(現「里山保全実践講座」)修了者らが結成した「日進里山リーダー会」とともに調査などを開始。08年から5年かけて整備し、「北高上緑地」として開園しました。
宅地開発などによって里山林が徐々に姿を消している中で、本当にうれしい話だと思います。
そして、訪れる市民らに楽しんでもらえるように、日進里山リーダー会は散策路を定期的に巡回し▽上の方から折れた枝が落ちてこないか▽スズメバチが潜んでいないか▽山火事の際、防火用水は問題なく使えるかーなどを点検したり、枯れた樹木の伐採や下草刈りをするなど整備・保全活動を行うほか、樹木観察ツアー、シイタケ栽培体験など市が主催するイベントの企画・運営などに引き続き取り組んでいます。
リーフレットをもう少し読み進めてみましょう。
コナラなどの広葉樹、一団の竹林、コバノミツバツツジ群落など多様な景観が楽しめる緑地です。
中には周伊勢湾要素の一種とされる希少なモンゴリナラも自生しており、地域特有の里山の生態系も残されている重要な場所です
コバノミツバツツジは緑地内に何と5000本もあり、3月から4月にかけ緑地に春の訪れを告げてくれます。毎年4月上旬には「コバノミツバツツジまつり」が開かれ、森の音楽会などがにぎやかに繰り広げられます。2020(令和2)年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止になりました。
咲き誇るコバノミツバツツジの群落は見ごたえ十分ですが、コナラや竹林、モンゴリナラなど、見所はほかにもいっぱいあります。緑地内で確認されている樹木は91種類。これらの多様な木々や草花が花や実をつけ、いろいろな虫や鳥たちも棲んでいます。
■北高上緑地の樹木(2020.05.13現在)
ごく一部ですが、これらを写真とともに紹介してみました。イベントで使われた資料です。
■北高上緑地 秋の樹木観察ツアー(2019.11.09)資料
それだけではありません。リーフレットの説明に戻りましょう。
面白そうですね。皆さんもだんだん興味がわいてきたのではないでしょうか。
ところで、リーフレットの中にある「里山」とは一体どんな所なのでしょうか。 愛知県がまとめた「あいちの環境 里山保全活動マニュアル」をのぞいてみると…。
里山とは都市や集落に近い山すそで、農業や果樹園芸、あるいは林業など多様な土地利用が行われている地域一帯を指します。その里山に立地する森林が「里山林」で、人々が古くから利用してきた結果形成された雑木林や竹林、人工林などが多くを占めています。
つまり、人があまり足を踏み入れないような『奥山』と違って人里近くにあり、炭や薪にするための樹木を伐り出したり、キノコや山菜を栽培するなど、昔から人々が手を入れて管理し、暮らしのために利用してきた山(森林)一帯ということになるでしょうか。
その里山林が近年、危機に瀕していると言われてきました。昭和30年代に石油やガスなどが普及するなど、私たちの生活の仕方が変わるにつれ、次第に利用されなくなり、放置されるようになってしまったからです。
一方で開発の対象となり、一部は住宅地などに変化しましたが、それ以外の里山は荒廃し、ごみの不法投棄など社会問題、環境問題にもなりました。
ところが、そうした里山林が今、いろいろな意味で注目されています。
里山林は本来、新緑や紅葉など四季折々に美しい景観を見せてくれる場所です。そして、数多くの生き物が生息していて、自然の営みを繰り広げています。かつてのような価値は失われたかもしれませんが、最近、都市近郊では特に環境教育や自然観察のフィールドとして、さらに地球温暖化の防止に役立つ森林資源の供給源などとしても注目されているのです。
さて、日進市が発行したリーフレットには、北高上緑地の概要のほか▽ 沿革▽アクセスマップ・利用時間▽里山歩きの心得▽自然保護のお願いーなどが、裏面には見所や目印などが示されたガイドマップが掲載されています。
詳しいことは、リーフレットを読んでいただくことにして、ポイントだけご案内しておきます。
■まずは、場所とアクセスから。
※カーナビをセットする場合、リーフレット通りに「場所」や「駐車場」の番地を入力すると、ナビソフトによっては「目的地」が少しずれて表示されることもあります。この場合は、表示される地図をもとに「白山」交差点と「香久山南」交差点のほぼ真ん中にある「北高上緑地」を探して目的地に指定するといいでしょう。上記の地図は、スマートフォンでも「北高上緑地」と入力して検索すると出てくる日進市のホームページから見ることができるはずです。最も分かりやすい目印は、駐車場のすぐ前にある「北高上」バス停です。
■次は入り口と駐車場、身障者用駐車場です。
●南入り口には駐車場があり、15台ほど駐車することができます。
●西入り口は歩行者と自転車利用者専用です。ただし、自転車は入り口広場から奥へは入れません。車は身障者と随行の方に限り、利用時間内は駐車することができます。一般利用者は南入り口の駐車場をご利用ください。
●南西入り口は通常は閉鎖されています。
■次は、利用時間です。利用時間外は閉鎖されます。駐車場出入り口も施錠されますのでご注意ください。
■ペットは禁止です。
野生動物が逃げてしまうので、すべてのペットを緑地内に入れないようにしましょう(盲導犬、介助犬は除く)。入り口近くに犬をつないでおくスペースが用意されています。
■簡易トイレは南入り口駐車場の一画にあります。緑地内のトイレはここ1カ所だけです。
■さて、次は散策路です。
いくつものウオーキングコースが整備されており、目的や体力に合わせて選ぶことができます。緑地内の各誘導サインには、それぞれのコースの色が配色されているので、誘導サインの色を目安に進みます。
①完全踏破コース(コースの色は赤)
●距 離 約2㌔
●所要時間 約2時間
●北高上緑地の名所を余すことなく丸ごと体験できるコース
●勾配が厳しい坂道もあるので、体力の準備が必要です
②名所めぐりコース(コースの色は緑)
●距 離 約1.3㌔
●所要時間 約1時間20分
●北高上緑地の名所を効率よく回ることができるコース
●早春にはコバノミツバツツジの花が迎えてくれるでしょう
③はりきりコース(コースの色は青)
●距 離 約1.3㌔
●所要時間 約1時間20分
●北高上緑地を一周するコース。
●健康のため、日々の散歩コースとして最適です
④尾根縦走見晴らしコース(コースの色は白)
●距 離 約1.1㌔
●所要時間 約1時間
●眺望景観が楽しめるコース
●尾根道は歩きやすく、見晴らしポイントでは市内中央部の町の
風景を楽しむことができます。
⑤やすらぎコース(コースの色は黄)
●距 離 約500㍍
●所要時間 約30分
●なだらかな尾根道は歩きやすく、北高上緑地の自然風景が安ら
ぎを与えてくれます。ベンチで休んだり立ち止まったりしなが
ら散策をお楽しみください
⑥車椅子をご利用の方へ
北高上緑地は、ほとんどがアップダウンがある自然の山道で、一部には少し厳しい坂もあります。でも、西入り口から西砂防広場までの道は、車椅子利用者が通行できる幅が確保されています。一部に傾斜がきつい区間もありますので、付き添いの方の助力を必要としますが、このコースでも春にはコバノミツバツツジ群落の開花を満喫することができます。
西入り口は、身障者と随行の方に限り、利用時間内は駐車することができます。
ただし、西入り口駐車場にはトイレはありません。
◇
このように、体力と目的に合わせてどなたでも楽しむことができるのが北高上緑地です。
人工物はほとんどありませんが、お弁当を食べたり休憩を取るための木製テーブルやいすは各所に設けられています。
都市公園のように子どもが楽しめる滑り台やブランコといった遊具は何もありませんが、その代わり、自然があふれています。
拾い集めた落ち葉やどんぐり、まつぼっくりを板に貼り付けて壁掛けを作ったり、竹細工作りを楽しんだり、ふかふかの落ち葉のプールの中に潜り込んでかくれんぼをしたり…。
子どもなりの豊かな感性、創意工夫で、都市公園では味わうことができないユニークな遊びを満喫することができるでしょう。
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現在発行されているリーフレットは2020(令和2)年4月に改定された第2版で、サイズはA3判です。
初版が発行されたのは2013(平成25)年4月でした。サイズは現在の2倍の大きさだったので情報量も豊富でした。5つのウオーキングコースや車いす利用者の案内も紹介されており、とても役立ちました。
この大型リーフレットそのものはもう手に入りませんが、下記の埋め込みリンクの画像部分や一番上の太字の行をクリックすれば見ることができます。ご活用ください。ただし、くるりんバスのコース名など古いデータも含まれていますので、必ず最新情報をご確認ください。
www.city.nisshin.lg.jp
大型リーフレットを表示することができるQRコードを作ってみました。仲間のメンバーと試して読み取りができることを確認しましたので、皆さんも利用することができると思います。スマートフォンで読み取って保存しておくと、北高上緑地ウオーキングの際に便利です。うまく読み取ることができなかったら、ごめんなさい。お詫びします。
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さあ、いかがでしたか。北高上緑地の魅力は言葉や写真だけではとても説明し尽くせません。皆さんご自身が実際に足を踏み入れ、五感を研ぎ澄ませてその魅力をぜひ体験してみてください。
コナラやアベマキがプレゼントしてくれるかわいいどんぐり、波打つ葉が擦れ合うカサカサと響くソヨゴの葉音、一瞬、異次元の世界に飛び込んだような錯覚を覚える竹林、「日本のブルーベリー」とも呼ばれるシャシャンボの甘い木の実…。
皆さんも、きっと、こう思われることでしょう。
「里山って 面白そうだな」
「そうだ、週末は北高上緑地へ行こう!」